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[ DVD ]
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ノスタルジア [DVD]
・オレーグ・ヤンコフスキー ・エルランド・ヨセフソン ・ドミツィアナ・ジョルダーノ
【ジェネオン エンタテインメント】
発売日: 2002-11-22
参考価格: 3,990 円(税込)
販売価格: 品切れ中
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・オレーグ・ヤンコフスキー ・エルランド・ヨセフソン ・ドミツィアナ・ジョルダーノ ・アンドレイ・タルコフスキー
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カスタマー平均評価: 4.5
タルコフスキーの最高傑作ですが・・・ タルコフスキーの映画はほとんど観ています。この「ノスタルジア」が映像的にも音声的にも最高傑作です。でもこのDVDの映像と音声は相当劣化しています。ですのでマイナス星2つです。
魂の解放から、魂の拡大へ。 「鏡」が魂の解放だとすると、「ノスタルジア」は魂の拡大だと思います。自伝的映画なので3作目の「サクリファイス」までシリーズ映画なのです。この映画では、当時宗教が禁止されていたソビエトから、宗教と信仰の国イタリアに出て、そして、自由という今までなかった世界に、自分の価値感の徹底的な破壊と再生の息吹を感じたのでしょう。たぶんその死と誕生が、祖国に置いてきた母や家族へのノスタルジア(望郷)に繋がっていったのです。それがエンドカットのイタリアの廃墟の中のロシアの実家の風景なのです。ちなみに、この監督のテーマは常に「愛」です。それも妻だったり、母だったり、家族への愛です。そして常に望郷です。ソラリスでも同じようなエンドカットがありますな。彼の映画「ストーカー」に、もしタルコフスキーが出たら、彼の表層願望は偉大な芸術家であること、でも、深層願望は、家族との愛ですね。さて、この映画の冒頭でも、「鏡」で見られたように、言葉というものがいかに表現という行為に対して不十分であるかかということを言っています、例えば詩といった芸術を別の外国語に翻訳するのは意味がなく、ただ国境を無くせば良いのだといっています。つまり、別の言語に翻訳すると魂は死に、たとえ、言葉は違っても芸術家同士(感じることができる人同士)が会えば、それで良いのだと。これは、アンドレイがドミニコを訪れたときに女性通訳を通して話しかけますが、ことごとく失敗し、その後、アンドレがドミニコに直接話しかけると、、、なんのことはない、受け入れられるということでも明らかです。言葉に惑わされず、感じることで、その先には画像に散りばめられた記号「1+1=1」や台詞「一滴の水にもう一滴を垂らすと大きな一滴になる。」「感じること信じることで一つに交わり合う。」の意味すること、、世界が救える、という宗教的な示唆が生まれてきます。焼身自殺したドミニコと、その遺志を継いだアンドレは、死という犠牲(サクリファイス)で大きな一滴になり世界救済へと向かうのでしょう。言語の違い、政治体制の違いを超えて、、ということなのでしょうね。カンヌ映画祭で創造大賞を取っていますが、個人的には「鏡」の方が断然好きです。。。なぜかな、、?、、なんとなく匂いがね。。この映画はなんとなく西側の匂いが入っているからかな。。「鏡」の鋭さと瑞々しさが無い気がします。好きですけどね。
内的必然性から生まれる独自性 タルコフスキーが言っていることで興味深いのは、
「映画においては、説明は必要ではないのだ。そうではなく、直接的に感情に作用を及ぼさなくてはならないのだ。こうして呼び覚される感情こそが思考を前進させるのである」という言葉。
タルコフスキーの書いたものを読むと、実に内省的、宗教的な、本物の芸術家の声を聴くような深さと、それゆえの深刻さとを感じる。
それは時に悲劇的にも思われ、彼の精神の内部に関わるのはとても重苦しいような、敬遠したいような気持ちにも襲われるかも知れない。
「ノスタルジア」という映画の語源は、ロシアでは、病に近い望郷の念を言うようで、タルコフスキーによれば「死に至る病」となるようである。
この映画と「惑星ソラリス」や「ストーカー」、この3本が最も印象にあるのだが、そのどれもがその--ノスタルジア--を語っているように思う。
それは彼の言うように、説明されえない、時にあまりに個人的、内宇宙的な、世界への宗教的な想いであったり、修行僧の懺悔のような告白のようであったりする。
「ノスタルジア」の、観客まで息苦しくなってくるような緊迫した長い凝視を要求する映像で描かれる、登場人物の世界を救済するという個人的な儀式・・。
模倣しようとすればきっと恥ずかしくなる、その驚くべき映像の内的必然性から生まれる独自性。
彼の最後の作品の題名が、彼の内面の内へも外へも、彼の精神の運動のすべてを言い表わしているような気がする。
それは「サクリファイス」、犠牲という言葉である。
タルコフスキーを想うと、むかしむかし、西洋の厳格な修行僧が同時に求道的な芸術家であったような時代の、そういう時代に存在したかのような男のシルエットが浮かんでくる。
ソラリスとの相似 アンドレイ・タルコフスキー監督の遺作となった映画だ。
タルコフスキーの映画にはいつも水が流れている印象がある。
この映画も冒頭の霧、川、雨、温泉と水が様々な姿を変え出てくる。
特に、水に浸かった廃墟の場面は煌めくように美しい。映画史に残る名シーンではないかと思う。
構成としてはタルコフスキーの傑作「ソラリス」によく似ている。
異郷(ソラリスでは知能を持つ生命体の海がある惑星ソラリス、この映画ではトスカーナ)にいて故郷(ロシア)に焦がれ、過去を悔いる。
ラストも異郷に故郷が現れる幻想的シーンが同じである。それが惑星ソラリスの海であろうと、トスカーナの廃墟だろうと、故郷と過去への思いは変わらないのだ。
耽美ということ 大学生の頃、映画館で見た。圧倒された。物語を追うのではなく、まさに映像に魅せられた。言葉もなく、不可解な映像に見入ってしまった。まさにそんな感じ。
先日、DVDを発見し、きっちり見ようと体調を見極めつつ、本日見た。改めて詩的な映像のために駆使されている様々な技巧に驚く。まあ、72年という時代に「惑星ソラリス」を作った人だから、それも出来る。横に移動していくパンショットの中で、さっき映っていた人々が再び、別の場所に登場する驚き。現場は必死だったんだろうけれど、映像は静謐。
望郷、愛情、葛藤、そんな言葉にすると単純なものを映像にするとこうなるんだなぁ、と初めて思った映画。今見直してやはり、そうだったんだな、と思う。しかしそこには執念のような努力と技術があったことが今では判る。
耽美、という言葉がこの映画には似合っている。
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[ DVD ]
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ラムの大通り [DVD]
・リノ・ヴァンチュラ ・ブリジット・バルドー ・ビル・トラヴァース
【ハピネット・ピクチャーズ】
発売日: 2004-11-10
参考価格: 2,800 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 12,800円〜
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・リノ・ヴァンチュラ ・ブリジット・バルドー ・ビル・トラヴァース ・ロベール・アンリコ ・ピエール・ペルグリ
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カスタマー平均評価: 4.5
最後のスクリーンに見入るリノ・ヴァンチュラがとっても好いのです! この映画は昔映画館で観ました。最近、観たくなりDVDを入手しようと思いましたが、すでに廃盤。何とか質の良い中古を見つけました。この映画はロベール・アンリコ監督、1971年作品で、音楽は「冒険者たち」等で何度も監督とコンビ組んでいる、フランソワ・ド・ルーベ。この人の映画音楽は、個性的、繊細、革新的な表現法に富む。ロベール・アンリコ監督のロマンティシズムと凄く相性がいいのです。ロベール・アンリコはフランソワ・ド・ルーベの死以来どんなミュージシャンともルーベとの様な関係は見いだせなかったそうです(Anthologie Vol.1の解説より)。この映画の主演はご存じ、リノ・ヴァンチュラとブリジット・バルドーで彼女の最高傑作と言われているが、そうだと思います。彼女の存在がこの映画にとって非常に重要でしょう、他の女優ではバルドー独自の味は出せないから。映画自体のあらすじはいらないでしょ?大人のお伽話とも言うべき、不思議な魅力を持つ作品でコメディ色は強いですが、この映画を鑑賞後何かジワーット心に感じてしまい、ラストシーン何度も観てしまいます。そのシーンでバルドーの「愛の喜び( Plaisir d'amor)」が流れ、この彼女の歌がと?っても好い!このスクリーンはモノクロでそれに見入るリノ・ヴァンチュラはいつの間にかスクリーンで歌う彼女を抱きあげている、その時モノクロからカラーへと変わる。そして、観客はリノ・ヴァンチュラ一人となり、彼はスクリーンに魅入られたままで(波の音が入りながら)その画面のままクレジットが流れてゆく。この間の音楽はもちろん好い。このシーンはYouTubeでご覧になれます。また、「愛の喜び( Plaisir d'amor)」は世界中のアーティストがこの曲をカバーしており、エルヴィス・プレスリーのヒット曲「好きにならずにいられない(Can't Help Falling in Love)」は原曲Plaisir d'amor をもとにしたものであることもよく知られています。ラストシーン素敵です!!
アンタチャブル時代のパイレーツ・オブ・カリビアン 待望のDVD化です。
ロベール・アンリコの「ラムの大通り」は、映画を見た後、幸福感がずっと続く映画です。
主演はブリジット・バルドーとリノ・バンチュラ。
この映画のバルドーはもうそんなに若くはないけれど、充分に魅力的です。
バンチュラも非常にいい感じ、まさにはまり役です。
快作「冒険者たち」もそうでしたが、監督のロベール・アンリコは
大人の男のやんちゃさを描くのが非常にうまい。
映画は禁酒法時代のカリブ海が舞台。船乗りと美女とラムの物語です。
冒険小説と映画の好きな人にはお勧めの作品です。
きっと、ラストシーンの「愛の歓び」のメロディーと主人公の幸せそうな顔が
忘れられなくなるでしょう。
なぜか懐かしい感じ、、、、 リノ・バンチュラの演技が見物です 初めて観る方もなぜか懐かしく感じるのではないでしょうか 私は音楽と出演者の衣装がとても気に入りました
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[ DVD ]
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天井桟敷の人々 [DVD]
・アルレッティ ・ジャン=ルイ・バロー ・ピエール・ブラッスール ・ピエール・ルノワール
【ピーエスジー】
発売日: 2006-11-21
参考価格: 500 円(税込)
販売価格: 品切れ中
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・アルレッティ ・ジャン=ルイ・バロー ・ピエール・ブラッスール ・ピエール・ルノワール ・ジャック・プレヴェール
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カスタマー平均評価: 5
フランス魂の横溢 1945年第2次大戦中ナチス占領下のパリで、当時としては破格の16億円をかけて製作されたという。全体は2部構成(第1部:犯罪大通り、第2部:白い男)になっており、3時間を越える上映時間の間にインターミッションが入るというこの超大作には、いわば国家の威信がかかっていたことは間違いなく、そのフランス魂を感じながら映画を熟視すると、見ている方がぐったりしてしまうほど中味がつまった1本だ。
天井桟敷席で身を乗り出しながらヤジをとばす観客をはじめ、犯罪大通りを埋め尽くす群衆のパワーが横溢している作品ではあるが、不思議とナチスに対する恨み節を感じることはない。(やせがまんなのかもしれないが)むしろ後世の残る作品を撮り上げようとするマルセル・カルネ以下製作陣のなみなみならぬ意気込みを感じる。「愛し合う者にパリは狭すぎる」など数々の名言が散りばめられたジャック・プレヴェールの脚本も、かのシェイクスピアを相当意識して書かれた跡がうかがえ、“オセロ”を鑑賞した伯爵に「庶民向き」などの酷評をわざわざさせている。
マドンナのガランス役に当時47歳のアルレッティを起用した点には?が残るが、天才パントマイム役者(ジャン=ルイ・バロー)をはじめ、シェイクスピア俳優フレデリック(ピエール・ブラッスール)、強盗殺人文筆家ラスネール(マルセル・エラン)などは実在の人物がモデルとなっているそうで、古着商ジェリコを狂言回しにした物語は一語一語が非常に練られた修辞的会話が特徴的だ。劇中劇以外の部分では格調高い会話を味わい、少々頭が疲れてきたらバチストの優雅なパントマイムを堪能する。本作品を高く評価する人は、きっとそんな映画の楽しみ方ができる上級者にちがいない。
人間がする愚かさこそ、人間が生きていくパワーであり、人間の生きている証 傍から見ると、人間は愚かなことをします。
ギャランス(アルレッティ)、バチスト(ジャン=ルイ・バロー)、フレデリック・ルメートル(ピエール・ブラッスール)、ピエール・ラスネール(マルセル・エラン)そしてモントレー伯爵(ルイ・サルー)も、、、
そして、その愚かなことを、人間は性懲りもなく繰り返します。
これは、どうしようもないことだと思います。
でも、実はその愚かさこそ、人間が生きていくパワーであり、
生きている人間の証だと思います。
この「天井桟敷の人々」はホンモノの人間ドラマだと思います。
混沌とした世の中をえがく 19世紀のパリ。見せ物小屋や芝居小屋が並ぶ犯罪通りでのこと。謎の美女・ガランスに4人の男が恋した。俳優のルメートル、パントマイム役者のバティスト、悪党のラスネール、モントレー伯爵である。ガランスは伯爵の女になってパリをはなれる。バティストは内気で思い切りがわるかった。何年か経つ。パリにもどったガランスを追いかけるが・・・というやるせない人間模様をえがいた。
愛していながら結ばれない悲恋物語というわけでもない。ガランスはとらえどころのない女だ。この映画もまた一種のまぼろしのようである。本作の魅力は俳優の演技にある。主役の4人の男とガランスはもちろんだが、他の脇役にいたるまでの演技が互いに共鳴して、熱気のるつぼのおもむきがある。
また、練りに練られたセリフの美しさ、作品が放つ気品は、最近の映画では久しく見ることができない。たとえて言えば、極上の純米吟醸酒のようであり、スタンダールの小説のような味がある。
このような戦い方をフランス人は映画でしていたのか! ナチ占領下でこの大作を創ったフランス人の政治力に驚嘆。監督マルセル・カルネはいかなる人物であったのか。
作品への驚きは二つ。
1:パリの下町の庶民が生き生き。これはナチズムの映画としての戦いとみた。
2:パントマイムという最高の芸をみることができること。
パントマイムを演じるパチスト(ジャン=ルイ・パロー)、美しい女性ガランス(アルレッティ)との純粋愛。とにかく、パチストの芸に感動!
最後は女が去っていく。群衆にまぎれて、追い求めるパチスト...。
実に3時間。2部構成。
最高の作品。とくにパントマイムを演じるジャン=ルイ・パローには、驚きをあたえられること必至。死ぬまでに一度は観ておかないと...
惚れ惚れする脚本 長らく「洋画ランキング」というような催しもので 一位を取り続けた大傑作の映画である。
話としては 幾分通俗的な恋愛譚なのだと思う。但し 見ていて 3時間を超える長尺が全く気にならない。
出演する数々の名優の演技もあろうが 僕としては やはり脚本が練りに練られて 黒光りしているからだとしか思えない。
脚本の素晴らしさを説明するのは難しいが 一つだけあげたい。この映画は この映画の狂言回しを行っている古着屋のセリフに始まり その古着屋のセリフで終わっている。
ネタバレもあるので これ以上は書かないが その古着屋のセリフが この映画全体をきちんと暗示している。このような仕掛けをきちんと埋め込んでいる点一つとっても 実に脚本が良く練られている点がわかる。僕は そう思うのだ。
この映画は第二次世界大戦の下で作られたことも有名だ。戦争しながら こんな映画を創ってしまう欧州は やはり米国映画には無い「何か」を持っている。
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[ DVD ]
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人妻 [DVD]
・ジョセフ・ファインズ ・レイ・リオッタ ・グレッチェン・モル ・ヴィンセント・ラレスカ
【パイオニアLDC】
発売日: 2003-05-23
参考価格: 4,935 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 9,800円〜
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・ジョセフ・ファインズ ・レイ・リオッタ ・グレッチェン・モル ・ヴィンセント・ラレスカ ・ポール・シュレイダー
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カスタマー平均評価: 4
愛の神様のいたずら ジョセフって色気ありますね。
一目見た時は「こ、濃い顔」と、とっても2時間(映画の平均的上映時間)耐えられると思えないのに、すぐに惹きこまれてしまう不思議な俳優さんです。まさに体中からフェロモンを発してる感じです。
そんな彼の官能ドラマ、適役ではあるのですが、彼の役柄の余りにも真剣な愛に見ている方が疲れてしまいました。
あんなに真剣に愛し、愛されるのはうらやましい気もするのですが、実生活だと、私にはしんどすぎます。
実際には中々経験し得ない愛の形だからこそ映画となると人に感動を残すのかもしれませんが・・・
しかしこんな激しい愛に一瞬でおとしてしまう愛の神様は随分悪戯好きです。
それにしても、この映画の邦題、一体だれがつけたのでしょうか?
いくらなんでもひどすぎません?
■ずっと、ひとりの女性だけを愛し続ける男性の物語です。 ■確かにタイトルだけで期待して見てしまうと、期待外れかもしれません。きちんとストーリーのある恋愛映画で、エッチなシーンはむしろ少ない方だと思います。 ■一人の女性を、たとえどんな目に遭おうとも、愛し続ける男性の物語です。あのジョセフ・ファインズの色っぽい眼差しは、ひとりの女性を強く愛し続ける男性役にまさにぴったり。惹きこまれそうになります。 ■主演女優さんもとても美しいです。結婚してもなお、夫以外の男性にあんなに愛されたら幸せだと思います。 ■ラストははっきりわからない終わり方です。気になります。
ひどいタイトルだ エロビデオのようなひどいタイトル! たしかにジョセフは海外ではフリーセックスの役どころが多いが、 旧にっかつのような「人妻」って何? タイトルでしか売り込む余地がないビデオ、っていうことか。 「恋落ちシェイクスピア」ではヴウィネスばかりが注目されたが、 ジョセフの共演女優は必ず脱ぐことで有名。はやく「アリ」も日本でビデオ化してほしいものだ。
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[ DVD ]
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青いパパイヤの香り [DVD]
・トラン・ヌー・イェン・ケー
【コロムビアミュージックエンタテインメント】
発売日: 1999-10-21
参考価格: 3,990 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 9,800円〜
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・トラン・ヌー・イェン・ケー
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カスタマー平均評価: 4
絶対にベトナム映画ではない。 この監督は越僑であって、ベトナム人ではない。映画パンフレットに「この映画がフランス映画だと感じる人は映画がわかっていない」というあからさまな弁護批評が載っているが、それなら、私は映画を分かっていなくて大いに結構。この監督はさぞかし、映画もベトナムもよく分かっているのだろう。お笑いもいいところである。
ちなみに、この映画は2年ほど前にやっとベトナム国内で上映許可が下りたが、ベトナム人からも「これはベトナムではない」と総スカンを喰らっている。この作品に次ぐ「シクロ」も現実離れが甚だしく、どうやらこの監督のやりたいことは「シンデレラ・ストーリー」らしい。そう考えれば、「ベトナムを知ったつもりになっている外国人監督によるフィクション(夢物語)」としてみることはできるかもしれない。
好みは分かれます 台詞が少ない!静かに物語りは進み、登場人物も少ない、最初寝ちゃったけど、もう一度真面目に見たら画面に引き込まれて一気に見れました。
これはハマルととてもお気に入りになるだろうけど、会わない人は全然ダメでしょう。登場人物の微妙な心の動きを捉えるのがちょっと難しい気がしました。親切な説明は一切なしで見る側の感性にまかされてるので、感受性を強くして見ないとつまんないかも。
緑滴る青いパパイア 映画館で観てヴィデオ屋に「前に借りてますよ」と何度も言われながら数回借りてなおかつこの映画の魅力に飢えるように結局手にいれました。 青いパパイヤが黄色く熟れるように少女は魅力的な女性にそして妻にさらに母になります。その過程がきめ細かな自然(極めて身近な蟻や蛙、草花)を通して丁寧に描かれます。日常の喜びや悲しみもまた、庭の動植物の営みに同化していくようです。画面から緑が匂立つような映画です。最後がハッピーなのもいい。緑で幸せになりたい方にお勧め。
トランの出生作 殆どをフランスで撮影したと何かで読んだのですが、確かに映像の中のシーンはどれもセット的で、現在のベトナムの風情ではないように思えます。ただ、それらのこともこの映画が醸し出す、一種お伽噺的な雰囲気を作り出すことに一役かっています。でも不思議なことにベトナムと聴いて思い浮かべる独特な「GREEN」はこの映画の映像から受ける印象とマッチします。そういう意味では概念の中のベトナムをうまく可視化した作品といえます。・・・・ま、そのようなうんちくはさておき、全体としては非常に完成度の高い良い映画です。大仰な事柄がなく、淡々とした作りであることから、監督がフランス人なのだと改めてカンジさせられる作品でもある。しかし、この作品以降のこの監督の映画は、ハッキリいって駄作ばっかりです。残念・・・。
フランス映画? チャン・アン・ユンの作品は、「フランス在住ベトナム人から見たベトナム」というイメージで、ベトナム映画として見るべき作品では無い。主人公の女の子が上流階級の男性と・・という設定が、いかにもフランス仕立てで、ベトナムらしくない。映像、特にフレーミングは特筆すべき点があり、芸術性を感じさせる。しかし、色彩のコントラストが強すぎ、ベトナムの「暖かく、ゆやかに流れる時間」を表現するには少しシャープ過ぎると思われる。 好みのハッキリ分かれる作品だ。
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[ DVD ]
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エゴン・シーレ〜愛欲と陶酔の日々〜 [DVD]
・マチュー・カリエール ・ジェーン・バーキン
【アップリンク】
発売日: 2001-07-27
参考価格: 3,990 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 9,800円〜
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・マチュー・カリエール ・ジェーン・バーキン ・ヘルベルト・ヴェーセリ
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カスタマー平均評価: 3
シーレの絵のイメージはない たしかに登場人物たちについてはある程度の予備知識が必要だろう。
前半は無実の罪で捕まったシーレと彼の思い出がフラッシュ・ショットで入ってくる。後半は戦乱の中のヴァリーとの別れ、エディットとの結婚、成功と妻の死、そして自らの死が描かれる。ヴィーン郊外の美しい田園風景とロウソクの光の中の暗いショット、オレンジの色、最後にシーレが死んで、姉の叫び声の後、かつてのシーレが牢屋から出て画商のベネッシュや母、ヴァリーと共に汽車に乗り込む場面が繰り返される。死への旅立ちはエゴンにとって牢獄からの解放であったのか。
映画全体のイメージはエゴン・シーレの絵の反抗的、挑発的なところも、また陰惨なところもなく、逆に非常に美しい。
かなり昔、初めてみたときシーレの絵はいやな絵だと思った。カリカリとした陰惨な絵、肉体は女も男も異様に貧弱、とくに自画像におけるペニスの不様なこと、女の裸体画のデッサンもわざわざ性器を赤く強調し、それは不快感を与えた。むろんポルノグラフィーだとは思わなかったが、どこか異常だと思ったものだった。
この映画にはそのようなイメージはなかった。貧弱なのはあの庭の枯れたヒマワリだけだ。ある意味でそこが不満だったとはいえなくもない。
シーレ好きならば、一度は見る価値があるかもしれないが シーレの拘留事件からその死までを描いたドイツの作品。 エキセントリックな印象が強いシーレだが、あまりエキセントリックさを強調せず、淡々とその生涯を描いている。あるいは、これがリアルなシーレの姿だったのかもしれないが、その分、映画としては非常に退屈になっている。 また、ヴァリー、エディットといった人物がとりたてなんの説明も無く登場するのだが、ドイツ人にとって、その辺りは説明を要さない常識なのだろうか? そんな説明不足もあって、シーレ好きならば、一度は見る価値があるかもしれないが、それ以外の方には全く楽しめない作品だと思う。(オッパイとヘアはたくさん出てくるので、それなりに元が取れるかもしれませんが)
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[ DVD ]
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恋愛準決勝戦 [DVD]
・フレッド・アステア ・ジェーン・パウエル ・ピーター・ローフォード
【トーン】
発売日: 2005-08-01
参考価格: オープン価格
販売価格: 品切れ中
中古価格: 9,800円〜
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・フレッド・アステア ・ジェーン・パウエル ・ピーター・ローフォード
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カスタマー平均評価: 0
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[ DVD ]
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ペドロ・アルモドバル・セレクション DVD-BOX
・ペドロ・アルモドバル ・アントニオ・バンデラス ・ハビエル・バルデム
【紀伊國屋書店】
発売日: 2005-03-26
参考価格: 10,080 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 9,799円〜
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・ペドロ・アルモドバル ・アントニオ・バンデラス ・ハビエル・バルデム
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カスタマー平均評価: 5
なんていうか、良いんです。 濃いんですが、もう突き抜けちゃってるんです。なりふりかまってられないんです。
極端な設定だと感じる人もいるかも知れないですが、そーゆーことではないんです。
何しろ「欲望の法則」がオススメですが、両方とも必見。
何度も観た作品だけど買って良かった。
きっと今より人間が好きになる。そんな作品です。
アルモドバルの原点であり、傑作!! 登場人物の関係が入り組みすぎて、説明が難しい作品だ。
ただこの作品は、そんな関係なんてどうでもいいのだ。
男であろうが、女であろうが、犯罪であろうが、火事であろうが、
恋人を殺そうが、殺されようが、そんなことは全部瑣末なことでしかな
い。
人を本気で愛することの引き立て役でしかない。
というアルモドバルの映画表現の核心が描かれている。
白眉はラスト10分。このためだけに面倒な事件はすべて仕組まれたといえる。
「やっと二人だけになれたね」というバンデラスのリラックスした表情、エウセビオ・ポンセーラ
の恋焦がれた熱い眼差し。哀しく情熱的なファドの音楽が二人の一瞬の愛の時を盛りたてる。
本当の愛に直面したら、ただひとは立ち止まり眺めることしかできな
い。という事実を突きつける。
無駄で、豪華で、カラフルで、ほんとうに祝祭的な美しい映画。
passion / obsession アルモドバル監督の原点であり、「バッド・エデュケーション」(が、今回のDVD化の理由なのだろうが)にも繋がる道である。何はともあれ、祝DVD化!と喜ぶしかないではないか(申し訳ありませんが、このレビューでは「欲望の法則」についてのみ触れさせてもらいます)。完璧な映画ではない。 性転換して女になった兄/姉とその弟の映画監督(主人公)とその恋人の若者と映画監督が手を出した勘違いした熱い青年の物語。それはトライアングルというよりほとんど知恵の輪化したほどの複雑さだが、いちばん多くのモノを賭けた者が結局は勝者であるという物語なのか、そうではなくて負けているのか、そのすべては気のせいなのか、とにかく欲望であり妄想なのだから、理不尽で頑固で許しがたく不道徳であることに必然性などないのである。 思えば、20年近く前に初めてこの映画を見たときの衝撃は、かなりのものがあった。一見扇情的な映像だけでなく、この物語が語られる理由を考えれば余計にそうなのだが、どのように見ようと私などには消化不可能な物語であると言えると同時に、ずっと心の中にも残っていたのである(しかし、心に残っていたのはどれもこれも美しい絵ばかりであった、監督の欲望を体現したかのようなアントニオ・バンデラスの熱い眼差しはヒリヒリと痛いほどだ)。止められずに溢れ出た監督の思いを考えれば、とことんまで詰め込まれた物語の整合性を問い正したり道徳的な問題をとやかく言うのは、あまりに小さいことだ。 「バッド・エデュケーション」はこの映画に比べれば、はるかに落ち着いて成熟した口調で語られ、スマートなものになっている。ぜひ、2本重ねて合わせて見てもらいたい。
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[ DVD ]
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コーカサスの虜(とりこ) [DVD]
・オレグ・メンシコフ ・セルゲイ・ボドロフJr ・トジュマール・シハルリジェ ・スザンナ・マフラリエヴァ
【アップリンク】
発売日: 2000-07-25
参考価格: 4,935 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 9,799円〜
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・オレグ・メンシコフ ・セルゲイ・ボドロフJr ・トジュマール・シハルリジェ ・スザンナ・マフラリエヴァ
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カスタマー平均評価: 4.5
コーカサスの虜 原作良し、脚本良し、テーマ良し、俳優良し、音楽良し、映像良し、とどこをとってお薦めしたい傑作です。ロシアとチェチェンとの紛争を描いていますが、個人が実に丁寧に描かれています。そして、その個人の運命に没頭して見入っているうちに、ふと民族の運命、歴史の残酷さを突きつけられ愕然とする一瞬が訪れます。挿入歌の『青いスカーフ』は楽譜を探しまくりました。ロシァ歌謡の名曲です。エンディングの曲も悲しい曲です。俳優陣は、芸達者なプロから、うまくその魅力を監督によって引き出された素人まで、全て魅力的です。特に、主役の一人である、監督の息子であるセルゲイ・ボドロフJRは、演技とは思えない自然な存在感があり、将来が楽しみでしたが、数年後撮影中の事故で亡くなります。本当にその死が悼まれます。全て、どこをとっても抱きしめたくなる映画です。
切ないストーリーながら明るく楽しんでみれる作品 チェチェンの村人と、捕虜になったロシア兵士を描いた作品。 ロシア軍に捕まっている息子を連れ戻そうと捕虜交換を画策するアブドゥル(ジェマール・シハルリジェ)は捕虜にしたロシア兵士を娘ジーナ(スサンナ・メフラリェヴァ)に世話をさせる。 村人たちは捕虜を置くことに反対するが・・・戦争映画といっても無敵のヒーローも統率力溢れる指揮官もでてこない。 あからさまに悲惨さを演出してみせることもない。 登場人物たちの交わす言葉は非常にそっけなく淡々としたものだ。 演技についても肩の力が抜けていてわざとらしいところが一切ない。 ユーモアや淡い恋心を交えた明るいストーリー展開の中で、怒りも恨みも無い生死のやり取りが描かれている。 安堵と絶望が交錯する結末はかなり切ない。 画質は若干悪いが十分見る価値がある作品だと思う。
詩情と悲しみにあふれた作品 トルストイの同名小説を原作とし、現代のチェチェン紛争に想を取った作品である。ロシアとその周辺、つまり隣り合う世界に住む人々は、お互いに不信を募らせ、それが抜きがたい憎悪となり、人々を争いに駆り立てていく。しかし、作中の登場人物たちは、感情を交し合い、その憎悪を徐々に解いていく。しかし、彼らが属するそれぞれの世界はそれを許さない・・・。異なる世界と世界の摩擦のなかで生まれる淡い友情や恋、そしてそれらが破れていく物語を、コーカサスの大自然を背景に詩情とユーモア、そして悲しみ豊かに描いた映画である。「どうしたら戦争をやめられるのか、私たちにはわからない。戦争を始めることは簡単だが、終わらせることは難しい。人を愛することより、殺すことのほうが簡単なのだ。でも私たちは努力するべきだ」と監督セルゲイ・ボドロフは言う。とてもいい映画です。ぜひどうぞ。
是非観てください!! この映画について、「チェチェン紛争を背景にした…」という話しを耳にし、「何やら凄惨な…」という予感もしていた…しかし、他方では随分高い評価を受けている、近年のロシア映画の傑作というような話しもある…「凄惨なチェチェン紛争の映画が高い評価?」と訝りながら観始めたのだが、観てみると当初の訝りは何処かへ消し飛び、作品世界に引き込まれていた… チェチェン紛争では、ロシア軍による抵抗勢力への苛烈な攻撃も行われているのだが、その種の凄惨な描写がある訳ではない。ある兵士、村人等が、カフカースの美しい自然を背景に織り成すドラマで、古典演劇にも通じるような組み立ての話しだ… 最近、“戦”という空気が垂れ込めているような感がして、何となく戦争や武力行使を背景にした映画に眼が向く機会が多い…この映画のラストシーン…夢に出て来そうである…そして、一部に使われる、ロシア軍の行進曲が妙に耳に残る…
チェチェン紛争 「チェチェン紛争」という、先の見えない重いテーマを扱っているが、ポップなBGMのおかげもあり、軽いタッチに仕上がっている。しかし、だからこそ、この紛争の重さが際立つのかもしれない。 ハリウッド的な「二項対立」であればわかり易いのだが、この作品はそんなものとは無縁。悪人はいない。善人もいない。どこにでもいる普通の人々ばかりが出てくる。そして、そんな普通の人たちが殺しあわなくてはならないのが、チェチェン紛争なのだ。 日本人にとってはあまりに遠く、縁の無い世界に思われるチェチェン紛争。この作品を通じて、少しでも真剣にこの紛争のことを考える人が増えてくれたら、と思う。
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スキャンダル [DVD]
・リザ・ガストーニ ・フランコ・ネロ ・レイモンド・ペルグラン ・クラウディア・マルサーニ
【キングレコード】
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参考価格: 2,625 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 9,799円〜
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・リザ・ガストーニ ・フランコ・ネロ ・レイモンド・ペルグラン ・クラウディア・マルサーニ
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カスタマー平均評価: 3
まぁまぁかな 基本的には(良くありがちな)立場が逆転してしまった女主人と下男の物語。
女主人であるエリアーヌはS・サンペリの初監督作「Grazie zia」に出演していたリザ・ガストーニ。下男の命令
を聞くときのガストーニの表情が、モモにいたずらされたときのアントネッリの表情とそっくりだった。もしかしたら、
「青い体験」のアレッサンドロ・モモとラウラ・アントネッリが歳をとり大人になって、おおらかさが消えてシリアスな
展開になるとこんな感じになるのかな。
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