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ヴェンダース対コッポラ異種格闘技
当時ドイツの気鋭の若手監督だったヴェンダースがハリウッドに招かれて撮ったハードボイルド探偵もの。ロビューミュラーのロケ撮影なしというハンデながら、場違いに思える題材でもヴェンダースはそれなりにきっちりとまとめているように思える。こんなヒットしそうもない作品に壮大なセットを組んで撮影させたコッポラの当時の勢いがうかがえる。まあそれが祟ってその後破産してしまいますが。ヴェンダースはコッポラとはうまくいかなかったようで、アメリカでのメジャー仕事は本作のみとなっています。地味な作品だが、当時を再現したセットによる独特のムードは見ごたえありだ。
ハードボイルド系の作品でもヴェンダースの色は失われてません
　個人的に、ヴェンダースとハードボイルド系のサスペンスって対極にあるようなイメージを持っていたのですが、この作品を見て、以外とそうでもないということがわかりました。

　この作品、確かにストーリーはハードボイルドな感じのサスペンスなんですが、映画全体の雰囲気というか、映像の作り方というか、そういった細かい到るところに、『ベルリン天使の詩』や『東京画』『ニックスムービー』などに見られるヴェンダース独特の空気感が生きてます。

　優秀な監督さんというのは例えその作品のテーマが、自分の他の映画のテーマ性とは違っていても、自分の色を出しながら、最終的には上手いことまとめるものだということをこの映画で実感しました。
孤高のダンディズム
確か２０年近く前の１２月２５日、チャップリンの「街の灯」を観に行った時の同時上映が「ハメット」だった。
最初は暗い映画だなと思って観ていたら、次第にのめり込んでしまった。
時代背景も良いし、何よりも主演のフレデリック・フォレストが抜群に決まっている。
最後のシーンでTHE ENDとタイプを打って締めくくるところにはシビレてしまった。
貴重な映画
ヴィム・ヴェンダース監督でフレデリック・フォレスト主演。ムード満点のセットで繰り広げられる物語と渋すぎる俳優は見ているだけでいい気分。フレデリック・フォレストが凄くいいし、この人が主役の映画は他には聞かない。僕の中では非常に貴重な映画です。