外国映画DVD店

　これはそもそも、ノーベル賞候補にもなったペルーの作家マリオ・バルガス＝リョサの小説「パンタレオンと訪問者たち」（邦訳「パンタレオン大尉と女たち」）の映画化作品です。

　アマゾン奥地に駐留する兵士たちのために、軍部は秘密裏に売春施設の設立を計画。その運営の任にあたるのは、酒も煙草もやらず、秩序と規律を重んじる根っからの軍人パンタレオン大尉。彼は「訪問者」と名づけた女性たちを雇用して「サービス」を提供させる国内最大規模の「特別事業」を築き上げていく。しかし、身重の妻にはこの特務について語ることを許されない。
　そして「商品」のオルガに「品質検査」を施したばかりに、彼の運命は大きく方向転換していく…。

　軍という制度や男の性というものに痛烈な批判の矢を放つ秀作映画です。それでいてなかなか心温まるエンディングが用意されていて、見る者に静かな感動を与えてくれる作品です。

　しかし、このパッケージ・デザインや邦題では、まず女性は手にしないでしょうし、男性だって気恥ずかしくて敬遠してしまいます。アメリカ大陸で販売されているビデオ（「Pantaleon y las Visitadoras」ASIN： B0000AGWRD）のパッケージを見れば、この映画のイメージが随分と違ってみえるはずです。